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欧州中央銀行の11年ぶりの利上げ英文ニュースで英語学習

ヨーロッパ中央銀行が11年ぶりに主要政策金利を引き上げたというニュース英語の紹介です。

今回の利上げは2011年以来のことになるようで、それだけにロシアによるウクライナ侵攻の経済的な影響が深刻なレベルになっているとの見方もあります。

今回はそのニュースを取り上げた英米メディアの生英語を取り上げ、そこから「生きた英語」を学んでいきたいと思います。

ECBの利上げニュースから英語を学ぶ

ECBの11年ぶりの利上げを取り上げた、米国の経済ニュースメディア「CNBC」の動画はこちらになります。

同メディアの英文ニュースソースはこちらからです↓

European Central Bank surprises markets with larger-than-expected rate hike, its first in 11 years-CNBC

今回は上記の英文ニュースメディアから、キーポイントになる見出し英文をピックアップして、訳文と単語やフレーズのチェックを行っていきます。

ではそれぞれのキーポイント英文と解説です。

キーポイント英文その1

The ECB had previously signaled it would be increasing rates in July and September as consumer prices keep surging.

【和訳】ECBはこれまで、消費者物価が急騰を続けていることから、7月と9月に利上げを行うことを示唆していた。

英文の構造は、

>The ECB had previously signaled

>it would be increasing rates in July and September

>as consumer prices keep surging

の3つに分けられます。

それぞれのポイントとなる単語をチェックしましょう。

>The ECB had previously signaled

ECB=European central Bank(欧州中央銀行)

previously=先立って

signaled=示していた

>it would be increasing rates in July and September

it would=~するだろう

be increasing=上がる

rate=金利

>as consumer prices keep surging

as=理由

consumer prices=消費者物価

keep~ing=~し続ける

surging=急激に上がる

となります。

動詞を見つけることが、その英文の意味を把握することにつながるので、この英文ではキーポイントとなる動詞は「signaled」になりますね。

その後にthatが省略されて、it would beで「何を示唆するのか?」を説明している流れになります。

では次に2つ目にいきましょう。

キーポイント英文その2

The Frankfurt, Germany, institution had kept rates at historic lows, in negative territory since 2014, as it dealt with the region’s sovereign debt crisis and the coronavirus pandemic.

【和訳】ドイツ・フランクフルトの金融機関は、地域の政府債務危機とコロナウイルスの大流行に対処するため、2014年以来マイナス圏にある歴史的低金利を維持していた。

こちらも英文の構造は3つですね。
<

The Frankfurt, Germany, institution had kept rates at historic lows

in negative territory since 2014

as it dealt with the region’s sovereign debt crisis and the coronavirus pandemic

それぞれの単語&フレーズチェックです。

The Frankfurt, Germany, institution had kept rates at historic lows

The Frankfurt, Germany, institution=ドイツ・フランクフルトの金融機関は

had kept rates=金利を固定してきた

at historic lows=歴史的な低さで

in negative territory since 2014

in=~の中にある

negative territory=マイナス圏内

since 2014=2014年以来

as it dealt with the region’s sovereign debt crisis and the coronavirus pandemic

as it dealt with~=~に対処するために

the region’s sovereign debt crisis=地域の債務危機

and=~と

the coronavirus pandemic=コロナウィルスの大流行

最初の「institution」は英単語では「機構」「組織」と習いましたが、ここでは金融機関を指しています。

漠然とした意味を持つ単語は、前後の意味で変化して訳すの良い例ですね。

had keptは「had(過去のある時点まで~してきた)+kept(維持してきた)」の意味をもつ過去完了形です。

「過去から現在に至るまで」を意味する現在完了形が「have kept」の形をしているので、過去完了形はいわば「大過去」という感じですね。

そして何を「維持する」のかといえば、「rate(金利)」

どのレベルまで維持するのかといえば「at historic low(歴史的な低さで)」となります。

最後に「as(~をするため、理由で)」がきて、その「理由」とは「it dealt with(対処する)」「the region’s sovereign debt crisis and the coronavirus pandemic(地域債務の危機とコロナウィルスの拡大)」という流れになりますね。

では最後のキーポイントにいきましょう。

キーポイント英文その3

Investors kept a keen eye on details regarding the ECB’s new anti-fragmentation tool, which is aimed at supporting those nations with lofty debt piles, like Italy.

【和訳】

投資家は、イタリアのような多額の債務を抱える国々を支援することを目的としたECBの新しい分断化防止手段に関する詳細を注視していました。

英文構造のチェックです。

>Investors kept a keen eye on details

regarding the ECB’s new anti-fragmentation tool

which is aimed at supporting those nations with lofty debt piles, like Italy

この英文も大きく分けて3つに分かれましたね。

ではそれぞれの単語&フレーズチェックです。

>Investors kept a keen eye on details

investers=投資家たち

kept=~し続けた

a keen eye on=~に注目する

details=詳細

regarding the ECB’s new anti-fragmentation tool

regarding=~に関する

the ECB's new anti fragmentation tool=欧州中央銀行の分断化防止手段

>,which is aimed at supporting those nations with lofty debt piles, like Italy

which is=(前文を受けて)~は、

aimed at=狙う、目的とする

supporting=支える

those nations=以下のような諸国

with lofty debt piles=高額な債務の山=多額の債務を

最初の「kept a keen eye on(注視し続けた)」はニュース英文でよく見かける表現ですね。

とくに「keen eye on(注目する)」は熟語のようになっているので、覚えておいて損はしない表現だと思います。

続く「details regarding~」の流れですが、「regarding(~に関する)」「details(詳細)」を説明している意味になります。

単語の後ろに「~ing」形をつけることで「前の単語を説明する」表現は英語で多用しますので、これも覚えておくと役に立ちますよ。

最後の「,which is」は、直訳すれば「それは~」という形になります。

注目はwhichの前の「,」です。

これがついていない「which is」は直前の単語だけを説明する形です。

しかし「, which is」のようにコンマがつくと、前の文全体を説明する形というわけですね。

例文を挙げると、

【which is】

I like my brother singing the song which is old but sounds good.

私は兄弟が古いけど良いサウンドのその歌を歌うのが好きだ

【, which is】

I like my brother singing the song, which is nostalgic for me.

私は兄弟がその歌を歌うのが好きだ。それは私にとって懐かしいから。

という感じですね。

最後の「aimed at」は「目的とする」で、どういった目的なのかというと「supporting those nations(そうした国々を支援する)」ということ。

どういった国々なのかということを「with」以下で説明し、「lofty debt piles ,like italy(多額の債務を抱えたイタリアのような)」となるわけですね。

利上げについての解説とインフレの英語表現

こうしたニュースで経済に詳しくない場合は「利上げって何?」「それが経済にどういう影響をもたらすのか?」という疑問が出てくると思います。

今回のECBによる利上げのニュースもそこが分からなければ、いまいちピンときませんよね。

そんな利上げについてを簡単に解説してみましょう。

ポイント

・景気が上昇してくると市場が過熱してくる傾向がある

・インフレの懸念が強まる

・インフレとは「物価が上がり続けて、お金の価値が下がり続けること」を意味する

・そうした動きを抑えていく目的で、政策金利を引き上げることを「利上げ」という

「利上げ=金利が上昇」することを意味する

・「利上げ」によって、企業が設備投資を控える場合が多くなり、個人消費も意欲低下に繋がり、過熱した状況を抑制する事が期待できる

今回の「物価高」のベースになっているのは「ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格の高止まり」にあるとされています。

エネルギーは全ての経済活動の基本になるので、この価格が上がることは、世の中の全ての物価も連動して上がるということですね。

それが世界的なインフレにつながっているのですが、今回の欧州中央銀行はインフレを抑えるために「利上げ」を敢行したということになります。

ちなみにインフレを英語で表現すると「inflation」です。

語句の意味を英語で説明すると、

Inflation means that prices continue to rise and the value of money continues to fall.

ということですね。

まとめ

経済の用語は一見難しいですが、勉強していくことで日々のニュースや世界の動向を読み取るカギになります。

もし株などの投資を行っている場合は、とくに最新の経済情報のチェックは必須ですからね。

世界経済のルールを作っているのは欧米諸国(金融機関や政府)ですから、彼らの流す情報を逐一チェックすることも大切。

その意味でも経済英語のマスターはサバイバルに必須といえますね。

今回の記事が英語による経済情報の取得の少しでも役立てれば幸いです。

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