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欧州諸国の輸出の回復に関するニュースと英語表現

欧州諸国の輸出の回復に関するニュース英語からの学びです。

長引くウクライナ戦争と回復しつつあるコロナ不況の中、ヨーロッパ各国における輸出の伸びが顕著になっています。

しかし主要二か国といわれるドイツとフランスの貿易量が思ったよりも伸びず、スロベニアやラトビア、ギリシャなどがパンデミック以前の輸出の伸びを見せているということ。

この2つの違いは何なのでしょうか?

その理由について述べた海外ニュースと、そこからの英語表現を取り上げていきましょう。

ヨーロッパ各国の輸出・貿易の伸びについての英語表現

Europe’s Top Economies Lag Behind on Pandemic Export Rebound

欧州の経済大国がパンデミックによる輸出の回復に遅れをとっている

「遅れをとる」はlag behind。

「輸出の回復」はexport rebound。

lag behindは英文でもニュース英話でも時折目や耳にする表現です。

ヨーロッパの「Top economies」は直訳だと「トップの経済たち」になりますが、意訳して「経済大国」としました。

Cross-border trade in all European Union countries is now above pre-pandemic levels.

欧州連合(EU)加盟国の国境を越えた貿易は、現在、パンデミック以前のレベルを上回っている。

「国境を越えた貿易」はcross border trade。

「~を上回っている」はbe above。

preは「~前」でよく見かける表現です。

日本語でも「プレ」で使われますよね。

反対が「アフター~」です。

欧州諸国の経済はすでにコロナ以前より回復しているということですが、しかし・・・となって続きます。

Germany’s exports in 2022 were only 18% above those in 2019 and France trailed even more with a mere 15%. That compares with a euro-area average of 30%.

ドイツの2022年の輸出は2019年の輸出の18%に過ぎず、フランスは15%に過ぎず、さらに遅れをとっている。ユーロ圏の平均が30%であるのに対して、である。

「~に過ぎない」はonly。

「さらに」はeven more。

「たった」はmere。

「~と比べると」はcompare with。

「~の平均」は average of。

onlyとmereは「たった、~だけ」という意味で共通しています。

「より上回った」はbe aboveを多用していますね。

欧州の2大経済大国の輸出量はヨーロッパ平均に比べて、かなり低い伸び率であることが示されています。

Global supply bottlenecks and inflation have hobbled Europe’s economy, whose manufacturing often requires parts from other areas in the world to complete products.

製造業では、製品を完成させるために世界の他の地域から部品を調達することが多いため、世界的な供給のボトルネックとインフレが欧州経済の足かせになっている。

「抑える、足かせにする」はhold。

「~というのも~が所有している~は」は~,whose~。

「製造業」はmanufacturing。

「要求する、必要とする」はrequire

「完成させる」はcomplete。

直訳すると「世界的な供給のボトルネックとインフレが欧州経済を抑えている」「欧州の製造業はしばしば製品を完成させるために、世界の他の地域から部品を要求するため」となります。

要約すると「ヨーロッパの製造業は部品供給を必要とするので、元が絶たれるとキツくなる」になります。

ニュースでは「一部の生産ラインの主要部品をウクライナから調達しているため、ウクライナの戦争は状況を悪化させるだけである」とあります。

製造業への影響が懸念されるという形ですね。

Within the 20-member currency bloc, Slovenia, Latvia and Greece lead the export recovery, all showing increases higher than 60% versus the pre-pandemic period.

20カ国からなる通貨圏の中では、スロベニア、ラトビア、ギリシャが輸出回復をリードしており、いずれも流行前の期間に比べ60%以上の伸びを示しています。

「~の中では」はWithin。

「通貨」はcurrency。

「リードする」はlead。

「輸出の回復」はexprort recovery。

「示している」はshowing。

「伸び、増加」はincrease。

「~より高い」はhigher than~。

「~に対して」はversus。

2文目の「all showing increases higher than~」の部分は、all(いずれも) showing(示している)increases(増加を)higher than 60%(60%以上の)versus~(~に対しての)という構造になっています。

ニュースではここからさらに「南ヨーロッパ諸国が享受している恩恵の一部は、観光地としての魅力と関連している。海外旅行はサービス貿易に含まれ、工場生産とは異なって、供給のボトルネックに阻まれることはなかったのである」と解説しています。

部品供給で世界と結びついている工業生産と、一国もしくは一地域だけで成立できる観光業の差が今回示されたというわけですね。

まとめ

パンデミックとウクライナの状況がグローバリゼーションに大きな打撃を与えたことは、この数年間ではっきりしました。

一方でローカリゼーションの典型である観光業が、一定の条件さえ整えば、工業国の輸出の回復を上回るというデータが示されたことも非常に示唆に富んでいると思います。

またヨーロッパの中でもトップレベルの工業経済大国であるドイツがエネルギーの確保に苦しんでいるのは、国家が一つの方向にエネルギー戦略を傾けてしまう愚も示しているといえます。

英文的にはタイトルの「lag behind」を始めとして、「Cross border trade」や「currency bloc」「manufacturing」「export recovery」など、経済的なボギャブラリーが散りばめられていて勉強になりました。

経済英語は世界の情勢をダイレクトに読む鍵になるので、今後も引き続き取り上げていきたいと思います。

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